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写真記
ペシャワールのキサ・カワニバザール

アフガン戦争ですっかり有名になってしまったパキスタンとアフガニスタン国境の街、ペシャワール。このパトゥシュン人たちの古い街に、パキスタンの中でも最も古いバザールがあります。その昔、交易で訪れた隊商たちが物語を聴かせていたことからキサ・カワニ(物語)バザールと呼ばれているのだそうです。あいにく僕達は物語を聴かせる事はできないけれど、すっかり笑顔の交流をしてきました。さぁ、一緒にこの古いバザールを歩いてみましょう。


まずはパキスタン名物。極彩色に彩られたバスの登場。パキスタンでは特にトラックやバスなどの大型車に派手なペイントをする習慣があります。ちょうど日本の「トラック野郎」に似ているのですが、面白いのは乗合バスも同じようなペイントをしてるんです。ムスリムは動物の絵なんか書いちゃいけないのではないかとちょっと疑問ではありますが。とにかくバザールの通りにもこんな車が走っています。



アラブのバザールやスークはもうちょっと狭い通りに店がひしめいているのが普通ですが、パキスタンの場合、このキサ・カワニに限らず、比較的大きな通り沿いにバザールが発達していることが多いようです。


ところどころにインドのハヴェリ(邸宅)風の建築も見られます。やっぱり影響があるんですね。


ペシャワールのあたりは、日本でもすっかり有名になったパトゥシュン人の人たちが暮らす場所。彼らは厳格なイスラム教徒なので、こうしたバザールも主役は男です。写真のどこを見ても男ばかりでしょ。



ごくたまに女性を見かけますが、そういう場合は完全防備。絶対に顔は見せません。女性が買い物へ行って良いのは自分の服や香水などの極限られたものを買う時だけで、旦那さんの許可が必要なのだそうです。まぁ、「不自由だ」と言えばそれまでですが、考え様によっては、それだけ「守られている」ということも言えるのだと思います。


コワーイ、コワーイ、イメージが定着しつつあるパトゥシュン人ですが、これでけっこう人懐っこくて、お茶目なところもあるんです。基本的に彼らは旅人は大切にしてくれます。だから僕達に対してもけっこうフレンドリーなんです。でも、やはり戦争以来、西洋人には危険が多いみたいです。


こうして歩いていると、気が付くと一緒に歩いている子供が居たりして。子供だけかと思ったら大人も一緒に歩いて付いてきたりしてギョッとしたりします。



上の写真と左の写真に写っている長細いものはさとうきび。これでジュースを造って売っているんです。さすがに怖くて飲めませんでしたけど。



手前はトウモロコシ屋さん。意外なんですが、世界中、けっこう焼きトウモロコシ屋ってあるもんなんですよ。


スイカやメロンなんかはこうして大八車(?)に乗せて売られています。


さすがにペシャワールは大きな街なのでけっこう女性も見かけますが、もう少し田舎のバザールだとほとんど女性の姿を見かけることは無いのですよ。


さて、何軒かお店を紹介。これはパンを揚げたような物を売っているお店。大きな鍋に油がたっぷり入っていて、その中でパンのようなものを揚げています。


これは羊の肉ですかねー。肉はこうして吊るしてあるのが一般的です。


こちらは多分、牛肉屋さん。ちょうど牛を解体しているところです。牛を天井から吊るして、2人掛でバラしていきます。しかし、これじゃ、狂牛病なんか出たらみんな感染しちゃって大変だろうな。


路地に入ったところで見上げるとミナレットが見えました。



だいたいバザールにはモスクがあります。白い建物がモスクです。


それにしても、こうして街の写真を写していると、わざと写ろうと入ってくる人がたくさんいるんですよ。それも、ほら、このおじさんも嬉しそうでしょ。なんか重そうなものを抱えているのに、いい笑顔。


そして、こん男の子はずーっと僕の後を付いてきて、写真を写してくれとねだっていました。


気が付くと僕たち日本人の周りには大勢の人だかりが・・・。


というわけで、みんなで記念撮影。言葉は通じなくても笑顔は世界共通。(カワイイ女の子が一人も居ないというところがちょっと物足りない気もするけど。)

むさくるしいおじさんたちのちょっとはにかんだ笑顔もなかなか素敵でしょ。

TVのニュースでは見ることができない、その土地の人々の笑顔に出会えたキサ・カワニバザールでした。


この章終わり


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