TOP溜息>49


No.49 インドの公道レース

 あちこち旅行をしていると中東や東南アジアの「運転マナー」というか、ほとんど「レース」とも言える状態にも慣れてきますが、そんな僕でもかなりビックリしたのがインドの道路事情。中東だと郊外へ行けば車の数のわりに道路が立派だったり、国によっては交通規制がけっこう厳しかったりして意外と怖い思いをすることは少ないのですが、インドは道路事情が悪いのにもかかわらず車の数が多く、そのうえドライバーの気性が荒いので、乗っていても常に緊張を強いられます。でも慣れてくるとインド独特のルールに気が付きます。面白いのはクラクションに何種類か音階があって、状況に応じて鳴らし方にルールがあること。追い抜く時、追い抜かれた時、道を譲れと主張する時、それぞれに違った「メロディー」で賑やかにクラクションが響き渡ります。そして、同時に助手席のアシスタントにも大事な役割があるらしく、状況に応じて手で何か合図を送ったり、時に身を乗り出して他の車のドライバーに怒鳴りつけたりしている。そんなわけで幹線道路ではF1レースさながらに、荷物を満載したトラックが抜きつ抜かれつを繰り返しているのですが、問題は片側一車線で対抗車線との分離帯が無い状態でもデットヒートが繰り返されること。

 常に目の前に対抗車線の車が迫ってくるわけですよ。そして正面衝突寸前で、無理やり後続の車の前に自分の車を押し込むのです。いつ事故がおきてもおかしくない状態。しかも、時に道路の真中に牛が寝ていることも。でもそこはベテランドライバー達。ほとんど事故は起こらない・・・、と言いたいところですが、旅行中しょっちゅう事故現場を目にしました。インドの旅行はいろんな意味で命懸け?


シルエットはドライバー。目前に対向車が迫ってきています。幹線道路を走行中はいつもこんな状態。前を見ないほうが落ち着いて乗っていられます。

ハンドルを誤って河へ落ちたトラックを引き上げている現場。一日に何度も事故現場に遭遇しました。


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